昨年ドラフト5位で社会人の三菱重工Westからマリーンズに入団し、リリーフとして22試合に登板した八木のルーキーイヤーを振り返ってみましょう。
千葉ロッテマリーンズ公式サイトより引用
八木は八戸学院光星高から東北福祉大へ進学し、社会人野球の三菱重工West(当時の三菱重工名古屋)に入社します。入社後は同僚の森翔平(2021年ドラフト2位で広島東洋カープに入団)とともに主戦投手となり、2021年の日本選手権では全国の舞台でもマウンドを経験し、ドラフト候補選手として注目されます。その後、同年のドラフト会議にてマリーンズから5位指名を受け、プロの世界に入りました。
ルーキーイヤーの八木は、オープン戦から150km/hを超えるストレートと落差の大きいフォークボールで三振や凡打を築きます。3月2日のオリックス戦では、1イニングをわずか8球で抑える完璧なピッチングを見せました。



先頭の後藤を2球でセンターフライに打ち取ると、続く杉本は三球三振。最後の太田はスライダーを連投してショートゴロで打ち取り、三者凡退に抑えました。オープン戦の時点では、対戦相手がほぼ初対戦なのもあったのか、威力のあるストレートとキレのある変化球に翻弄されており、八木のピッチングが冴えわたっていました。
オープン戦で結果を残した八木でしたが、開幕一軍メンバー入りを果たすことはできませんでした。同期入団の廣畑は開幕一軍だったため、八木が開幕一軍入りを逃したのは正直驚きました。その後はファームで調整を続けることとなります。
5月15日に初の一軍昇格となり、同日3点ビハインドの8回にプロ初登板を果たします。オープン戦で好投したオリックス戦相手に三者凡退で締め、堂々のデビューを果たします。



大城、杉本、頓宮と対戦し、いずれもストレートやスライダーでカウントを稼ぎ、フォークで打ち取るという投球スタイルでした。その後5試合に登板し、5月は6登板で無失点と素晴らしいピッチングを見せました。
月 | 防御率 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | QS | 交代完了 | 勝利 | 敗戦 | ホールド | HP | セーブ | 勝率 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 奪三振率 | 与四球 | 与死球 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | QS率 | 被打率 | K/BB | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5月 | 0.00 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | 6 | 24 | 3 | 0 | 10 | 15.00 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | .136 | 5.00 | 0.83 |
しかし、6月になると投球に陰りが見られ打ち込まれるケースが目立ち始めます。
特に対左打者との相性が悪く、中でもオリックスの吉田正尚には2試合連続で本塁打を打たれるなど苦しい登板が続きました。


2試合ともにストライクを取りにいったストレートを痛打される結果となり、一軍で活躍する打者の高い壁を実感することとなりました。
その後、2度の登録抹消がありながらも1軍で22試合登板し、シーズンを終えました。9に迫る高い奪三振率を残しましたが、被打率4割の対左打者をいかに抑えるかが課題になっていきます。変則投法ではないため対右打者の専用機ではなく、1イニングをしっかりと抑えてもらうことを首脳陣も期待していると思うので、自主トレを共にする先輩の益田などから吸収し、飛躍してほしいと願っています。
防御率 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | 交代完了 | 勝利 | 敗戦 | ホールド | HP | セーブ | 勝率 | 投球回 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3.63 | 22 | 0 | 0 | 0 | 0 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | 22.1 | |
打者 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 奪三振率 | 与四球 | 与死球 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | QS率 | 被打率 | K/BB | WHIP |
96 | 25 | 3 | 21 | 8.46 | 8 | 0 | 2 | 0 | 9 | 9 | – | .291 | 2.63 | 1.48 |
打者 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 |
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右打者 | .171 | 41 | 7 | 0 | 14 | 2 | 0 |
左打者 | .400 | 45 | 18 | 3 | 7 | 6 | 0 |
益田から助言を受けた成果を喜びに満ちた独特な表現で説明した。「体幹を使って腕に力を入れずに投げることがちょっとずつ出来てきた。リリースだけでピッというような球がいくようになった。今までは全部力入れてバアッっという感じだったんですけれど、スッてやってパチッという感じはある。1年間戦い抜くためには、自分の中では正解だと思ってやっています」。ブルペンでの投球でも球の勢いなどに変化が出始めている。
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